ソールカスタムの、その先へ。
FUXIAラストを染め替える『独自美』の競演
フラテッリジャコメッティを愛するMr.Tが、この春に手にしたFUXIAラストの3足を、自分だけの世界へと磨き上げた。ギリーシューズ2足『スウェード』『象革』、そしてスリッポン『うなぎ』。エキゾチックな素材感に『THE NIIGATA STYLE』のハーフラバーソールを添え、さらに独自の飾り釘で色気を宿す。依頼主の美意識と、職人の男気ある技術が正面からぶつかり合い、見事なカスタムが結実した。
黒ソールに潜ませた、密やかな色気
黒いハーフラバーソールは、ただ実用性を補うための選択では終わらなかった。前後に飾り鋲を打つというお客様のこだわりが加わることで、足元に確かな艶が生まれている。
貼るだけのカスタムでは届かない領域へ、一歩踏み込んだ仕立て。FUXIAラストの洗練とエキゾチックレザーの存在感に、艶やかな緊張感が静かに走る。
写りきらない仕上げに、職人技が宿る
見ていただきたいのは、このエッジ処理。ところが、その美しさは写真ではなかなか伝わり切らない。目で見て、角度を変えて、ようやく気づくほど自然に馴染ませてあるからだ。
黒ソールに関しては、見てもわからないレベルのスムーズなアール面へ。ここまで整えるには、単なる作業ではなく、美意識に応える技術力が必要になる。
『最初からそうだった』と思わせる完成度
後から加えたはずなのに、最初からこの仕様で誕生したかのように見える。そんな仕上がりは、カスタムにおいて最も贅沢な着地点かもしれない。
象革のギリーシューズ、スウェードのギリーシューズ、そしてうなぎ革のスリッポン。それぞれの個性を壊すことなく、ソール側から全体の完成度を底上げしているのが実に見事だ。
ベージュソールに浮かぶ、斜めの美学
ベージュのソールは、光を当ててはじめてその妙が見えてくる。エッジを斜めに落としたラインがほのかに浮かび上がり、黒とはまた異なる色気をまとっている。
控えめなのに、目に入る。目立たせていないのに、記憶に残る。そういう仕事は、往々にして強い。依頼主の感性と装着者の技術が、ここで鮮やかに交差した。
この春、FUXIAはもっと自由になる
実用品としてのソール補強を超え、自分だけの世界観を履く。今回の3足は、その楽しさをまっすぐ教えてくれる好例だった。
依頼主と装着者の競演に、思わず見入ってしまう。カスタムとは、単に変えることではない。履き手の美意識を、靴そのものの魅力ごと引き上げることなのだと、あらためて感じさせられた。
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コメント
コメント一覧 (4)
履く度に心躍り、非常に気に入って履いております。
ベージュのハーフラバー、すごく丁寧でその選択肢もあったか、と思っております。
当方はあえてレザーソールのまま履きたかったため、トゥースチールのみ装着にしましたが、次回オールソールの際にはハーフラバーも検討してみます!
natoriya
が
しました