16年ぶりのAldenが帰ってきた。

コードバンP-toe、16年分の皺と艶を“リペア&ポリッシュ”で再起動

🙂

今日は新入荷の話じゃありません。16年前にお買い上げいただいたAldenが、しっかり“物語”を刻んで帰還です。お客様から購入当時のお仕事での大変な思い出話が、この靴のストーリーに深みを与えてくれました。

Alden 5367 Cordovan P-toe Black リペア前

久しぶりに箱を開けた瞬間、空気が変わりました。黒コードバン特有の“深い光”は健在。なのに、触れると皺の稜線が少しザラッ。うん、これは相当走ってきた靴の肌です。

ご依頼は「すり減ったソールのリペア」。ところが現物を拝見すると、ソール以外にもあちこちが限界手前。ここで私たちの悪い癖が出ます。直したい場所が増えていく(笑)。でも、お客様の一言が最高でした——「これからもまだまだ履きたい」。よし、じゃあ“まだまだ”に全力で寄せましょう。

リペア前 外観
リペア前の外観。遠目は静か、近づくと皺の荒波。歴戦のコードバンは“表情”が濃い。
リペア前 ソール
ソールは限界点。あと少しでバースト寸前の“ギリギリのピットイン”。タイミング完璧です。
内装 かかと周り
踵周りは革が薄くなり、トップラインも破れ。ここは“次の16年”に向けて要補強。
内装 反対側
反対側も同様に限界点を突破。それでも崩れず保っているのがAldenの底力。
インソックの消耗
インソックは“使い切った”状態。ここまで履くのが、いちばん男前です。

ここからは、修理のターン。ソール交換で腰下を作り直し、内装は履き心地を取り戻し、最後に“艶”を復活させる。やることは多いけれど、狙いはシンプルです。
「これからも気持ちよく履ける」こと。

オールソール完了 ウォーターロックソール
そして、2ヶ月分巻きますが・・・オールソール完了。腰下が締まると、靴の表情まで引き締まります。
純正刻印
刻印もバチっと。こういう“戻ってきた感”がたまりません。
ヒール周り
ヒール周りもリフレッシュ。ここが新しくなると歩きが一気に軽くなります。
使い切ったインソック
使い切ったインソック。よくぞ頑張った…と、靴に言いたくなる瞬間。
インソック交換
純正インソックへ交換。足入れした瞬間に“気分が上がる”やつです。
腰裏補強
腰裏も補強して、踏ん張りが復活。見えない所ほど効きます。
トップライン補修
破れていたトップラインも補修。これで“気にせず履ける”領域へ。

そしてクライマックスはポリッシュ。ワックスは控えめ派ですが、コードバンは“正しく扱う”と、ちゃんと応えてくれる素材です。ザラつきを整えて、光の筋をもう一度通す。艶は飾りじゃなくて、コンディションの通知表みたいなもの。

ポリッシュ後の艶
磨き上げ後。黒コードバンの“透明感”が戻ると、皺の立体感まで美しく見えます。
ザラつき除去
まずは皺周りのザラつきを整えるところから。下地が決まると艶が“澄む”。
タンの折れ
タンの折れは、あえてそのまま。ここが“本人確認”みたいなもので、消すのは野暮です。
完成 全体
さぁ完成。新品じゃない、でも弱ってもいない。“今がいちばん格好いい”地点に着地です。
艶と皺の表情
黒コードバンの艶と皺。結論、靴は“傷を恐れず履いた者勝ち”——そして、直せばまた勝てます。

起:久々の再会で、皺が語りだす。
承:ソールだけのはずが、直したい所が増えていく(あるある)。
転:腰下と内装を立て直し、艶を“澄ませる”。
結:16年の相棒は、まだまだ現役。むしろここからが本番。

履き込んだ靴ほど、手を入れたときの戻り方が気持ちいいんです。もし同じように「まだ履きたい」がありましたら、遠慮なくご相談ください。

👦

修理したオールデン、無事に受け取りました。メンテナンスまでしていただき、本当にありがとうございます。まさに生まれ変わって帰ってきました!気づけば16年。当時、管理職になって作業服中心からスーツ中心へ変わり、靴まで見られる立場で気を引き締める相棒として迎えた革靴です。クレーム対応や現場の緊急時に、この靴のまま走り回ったことも思い出しました。定年まであと約10年、これからも相棒として頑張ってもらいます。

😄

ご連絡ありがとうございます。無事にお受け取りいただけて安心いたしました。16年分の記憶が詰まった「相棒」をまた現場と日常へ送り出せること、こちらこそ嬉しいです。クレーム対応や緊急時まで一緒に走ってきた靴なら、今回のリペアで腰下も気持ちもリセット完了ですね。定年までの約10年も、どうぞ遠慮なくガシガシお使いください。履いて・磨いて・困ったらまたお任せを。今後ともよろしくお願いいたします。Natoriyaより


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