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時代の変遷があろうとも一切変わることのない秀逸デザインで世代を超えて愛され続けている名作ウイングチップがあります。「ALDEN 975 BARRIE Last Long wing tip shell cordovan」は、非常に多くのエンスージャストから高い支持を得ている名作中の名作として知られます。そんな975もなかなか入手に手間取るようになって参りまして、昔のようにちょっと待っていればMyサイズが来るからと言えなくなりつつあるようで。今回も少量の入手となりました。

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アメリカンシューズらしいポテっとしたボリューム感のある975は、バーガンディー色のシェルコードバンを奢られた逸品として知られます。ダブルウエルトのリバースウエルト仕様×ダブルレザーソールは、強靭な履き応えが魅力ですが、履き馴染むにつれてオーナーの足に寄り添うように優れたフィーリングを生み出してくれるようにどんどん進化していきます。

シングルレザーソールのしなやかですぐに馴染む感覚とはことなり、じっくり時間をかけて足に馴染ませていく過程が楽しめて、尚且つその過程のなかでスプリングの効いたコンフォータブルなフィーリングへと変化する感覚を味わえるのは、この靴ならではかもしれません。

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履き始めこそソールが硬く感じられて、足の屈曲に対して、靴のそり返りが追いつかず、踵が浮くような感覚を覚える人もいるのですが、それを乗り越えて履き続けると、次第に足への追従性が増してきて、さらにコルクの沈みやフットベッドの馴染みによって、手放すことのできない靴へと変わります。

そう!、履く人の足の形状に寄り添ってくれる靴へと変わるのは、Goodyearウェルト製法の革靴ならではだと分かっているにも関わらず、なぜかオールデンは、その感覚が何倍にも増幅されて感じるから不思議なんです。名作と呼ばれるのは、こうした履き心地の素晴らしさに裏打ちされた上で、力強いデザイン性、履きじわが入り色変化するシェルコードバンのエイジングも楽しめるなど、様々な観点から魅力があり、そこがユーザーを惹きつけて話さない魔力に満ちているのかなと長年扱ってきて得られた現時点でのアンサーです。

これも何十年とさらに付き合う中で、またあらたな発見があるかもしれませんが、それはまたその時にブログでご案内できたら素晴らしいですね。