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お買い上げから8年経過したジョンロブ Williamです。持ち主は地元のお客様です。
還暦は優に超えられていますが、当店へは高校生のときから通い続けてくれていて、僕が生まれる前後くらいから来てくれているので、私よりも「シューズサロンなとりや」の歴史をよくご存じのお客様と言っても過言ではないでしょう。

靴に服にバイクにと最近は庭造りまで。全く衰えることのないバイタイリティは年々パワーアップし続けています。
キャラクター的には、車寅次郎や桑田佳祐さんのような感じで、話は上手くて楽しいし、趣味人だし、その生き方、生き様には見習うべきところが多々あります。

それこそ、靴も洋服もバイクも数えきれないほど所有されており、全容は僕も未だに知りません。

そんな愛すべきお客様のご愛用靴の一つが、こちらのジョンロブ Williamです。何足かお持ちのロブの一つですが、当店で8年前にお買い上げ頂きました。とても気に入って下さっていて、時おり履いてくれているのを見かけます。

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その履き方、扱い方は、腫れ物を触るような使い方では全くなくて、リアルに道具として使うことを信条に履いて頂いています。主に仕事履きがメインで、時にはニューヨークでのレセプションに出向く時にも持っていかれて、日本を経つ前にポリッシュを頼まれた記憶はいまだに鮮明です。

もちろん雨雪でも気にせずに履いていて、おそらく多くのWilliam所有者さんの中でも最もタフな使い方をされているんじゃないかと思います。
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使い込まれて消耗したソール面

ダブルレザーソールでは流石に堪えきれない場面もあるいうことで、購入当初からラバー貼り付けをご依頼されたのですが、そのゴムも消耗が進んでしまいました。
そこで、新たにソール面にハーフラバーとヒールのラバー強化のご依頼を頂き、ついでにトゥスチールの埋め込みもご希望されました。

つまり、まだまだ現役バリバリで履く気満々なのです。僕にとっては、とても嬉しいご依頼です。


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ハーフラバーの張り替え+ヴィンテージトゥスチール追加

年齢を重ねてくると、人間足腰が悪くなってきて、ついには「もう革靴はやめちゃったんだよ、スニーカーでいいかな」という声を聞くこともしばしばあり、「そっか〜…」と寂しい思いをすることが多々あります(特に高齢化社会の現代では…)。
しかし、このお客様は、いよいよここから新たなステージへ飛躍しようという心意気が感じられるのです。

僕もそんなバイタイリティーを持った年を重ねた還暦を迎えることができるのだろうか。と、少し不安になることもありますが、このお客様と話をしているときは、そんな不安は一気に払拭されて、もっとなんでも挑戦して人生を楽しんでいかなきゃなぁと考える切っ掛けを下さっています。

もちろん、ご本人は、僕がそんにことを考えているなんて露知らずだと思います。
…いや、見透かされてバレているかもしれないな(笑)

僕にとっては掛け替えない人生の師匠のような人でもあり、友人でもあり、年の離れた兄のような感覚の時もあります。

ご本人は、このブログはほとんどご覧になっていないと思うので、思いの丈を記してみました。
どうかいつてまで、長生きして、シューズサロンなとりやの生き字引となって、通い続けてくれることを願っています!
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ヒールも強化版に変更


ジョンロブ William 修理と磨き完了です!