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マルモラーダ の名作チロリアンシューズFG119です。TEMPESTI VACCHETTA ELBAMATTレザーを使用したNERO(ブラック)です。きっかけは当店のお得意様からのご依頼でしたが、これが意外にも希少カラーということを知り製造してもらうことにしました。今までは、ブラウンやバケッタ、エレファントをやったことがありましたが、エルバマットのNEROって完成したものを見るとめちゃめちゃいいです!
ドシっと重量感もあるし、各部ディテールが半端なく手が込んでいる感じがするし、素材の良さも手伝って本格靴の風格が漂っています。カジュアルシューズでここまでやれるのはマルモラーダならでは。
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では、いつものようにこねくり回していきましょう!(笑)

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FG119チロリアンは、木型に282番を使用しています。ゆったり目の足入れ感が特徴。厚手のソックスが最もフィーリングよく履けます。履き鳴らしを要求してくるほどしっくりカッチリとした作りですが、履き馴染むにしたがって心地よい感触がどんどん生まれてきます。

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肉厚な革は、先ほどもお話ししたイタリアTEMPESTI社のVACCHETTA ELBAMATT(バケッタエルバマット)レザーを使用しています。素晴らしい出来栄えで、多くのファンを魅了し続けている名品と言っても過言ではないでしょう。クラシカルな風合いがあり、使い込むと勝手に味が増してくる非常に魅力的な革です。

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極厚なミッドソールを3枚持ち、最後に本底として同じイタリアのVibram社製ラグソールを装着してあります。ミッドソールをぶち抜くようにビスで補強する念の入れよう。製法は、ノルヴェジェーゼという昔ながらの登山靴によく使われる堅牢な製法です。特徴的なチェーンステッチが、ノルヴェジェーゼ製法の証し。

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重量は、サイズによっても違うけれど片足約680g前後あり、手に持つと若干重たいと思う靴です。履けばそれほどでもないんだけれど不思議です。この重さは、贅沢に使っている革の厚み、何層にも重ねられた革とラバーソールの重み、そして職人魂のウエイトが三位一体となった重量感なんだと思います。

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アッパーの耐久性は抜群ですし、多少ラフに履いてもなんともありません。消耗部分はもちろん修理が可能なので、極々基本的なメンテナンスさえしていれば、何十年でも持ち堪えるだけのポテンシャルを秘めているのも嬉しい靴です。こういう靴を年老いるまで大切に長く愛用し、子孫に見せて昔話を語るというのも楽しいと思います。