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1829年という途方なく古くから存在する靴メーカー「Tricker's」。イギリスのノーサンプトンに所在するR.E. Tricker Ltdで今でも製造されている純英国ブーツメーカーです。オレンジ色のレンガ塀に囲われた本社は、1904年に立ち上げたというから驚きますが、当時の製造機械も現役のものが多いと聞いています。あまり有名ではないけれど、映画「キンキーブーツ」では、工場や従業員がエキストラとして登場したことでも知られています。また、ウェールズ公からロイヤルワラントを授与されている由緒あるメーカーとして世界的に人気です。有名な靴としては、今日ご紹介するカントリーブーツが筆頭に挙げられます。Stow(ストゥー)というモデルで、兄弟モデルにMalton(モールトン)があります。もともと別のモデルだったようですが、現在では呼び方が違うでけで、基本的に双子のようなものになっています。



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今回入手したStowは、snaff kudu classicという名前の通りで、kudu(クーズー)レザーを採用した珍しいモデルです。多くがカーフを採用するのですが、クーズーは鹿と牛のハイブリッド種族の鯨偶蹄類で、外見は鹿なんですが、革的には牛にも似ているのはそういうことみたいですね。基本的に野生でしか存在していないようで、大きの傷やシミが入っているのが特徴で、それがクーズーレザーたらしめていると言えます。「きれいなクーズーはクーズーにあらず」という訳です。
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本来はそういう革なんですが、加工技術が凄いのか、目立つ傷は少なめで、艶も出してあり色的にはシミもほとんど気にならない仕上げが施されています。ですから、ぱっと見てクーズーだとわかりませんでした。でもおそらく履き込むとクーズーらしさは表現されてくるのだろうと思っています。
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ソールは、HARBORO社リッジウェイを組み合わせています。このソールは抜群のグリップ力と見た目のスマートさがあり、トリッカーズとも相性抜群です。消耗品のゴムソールは、交換リペアが可能ですので、長くご愛用いただけると思います。キンキーブーツの映画の中でもチラッと出てきたと思います。硬いカーフレザーモデルよりも足馴染みは良さそうですので、ファーストトリッカーズとしてもおすすめできるブーツです!


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