パラブーツのARLES (アルル)。定番のクラシックプレーントゥダービーです。革はLisレザー。万能選手として愛用者も多いモデルかと思います。パラブーツの中では主役といわれるCHAMBORD、MICHAELからは少し距離を置いている、というか表立って話題になることの少ない地味で隠れた名作です。ぜひ履いてみて頂きたい。ところが、『パラブーツってサイズ感が分からないんです』という声をよく聞きます。
以前。MICHAELのサイズ感についての記事を書きましたところ、思いのほか大好評記事として今だに高いアクセスをもらっています。まだ読んでいない人は、よかったら読んでみてください。
今回は、改めてこのMICHAELの所感を織り交ぜつつ、愛用しているCHAMBORDの足入れ感と今回の主役ARELSのサイズ感について書きたいと思います!
(※)なお、この記事の執筆は、かる〜く一杯やりながら気分良く書いてます。多少のことは多めにみてね(笑)
では、まずは、溺愛しているパラブーツCHAMBORDからいきましょう!
あ、その前にだ。
参考データ (私の靴サイズ=大体27.0cmを選びます)
・CHAMBORD 8.0 (程よい)
・MICHAEL 41.5 (気持ちゆとりあり)
・CLUSAZ 8.0 (ちょい小さい)
・Vチップカーフ 9.0 (モディファイド) (程よい)
・プレーントゥ 9.0 (バリーラスト) (程よい)
・タンカーブーツ 9.5 (ミリタリー) (程よい)
・レンジャーモック 9.5 (VAN) (程よい)
・ウイングチップ 9.5 (アバディーン) (程よい)
デスクワーク中心で、1日にほとんど歩くことがない生活スタイル。なんせ店内に閉じこもってばかりいますからねぇ。だから散歩するぞってときはしっぽふって喜びます!
僕の足は1日を通してあまり極端に大きさが変わることはありませんが、アルコールを摂取した時や寝不足時、残業時、疲れている時などは、足が浮腫むこともあります。
テスト靴のCHAMBORD サイズ8
年がら年中履いているシャンボードは、ソックスの厚みは普通厚でちょうど良くなるサイズ感で選んでいます。だから夏場に薄手のソックスやアンクルソックスで履くとちょい緩めに感じ、冬場にウールの厚手ソックスで履くと気持ちキツめに感じるサイズ感です。
CHAMBORDは、所有しているどの靴よりも捨て寸を少なく選んでいます。捨て寸というのは、つま先の遊びの空間です。普通の靴は、1.5とか2cm、靴によっては4cmくらい余らせるものもありますが、CHBMBORDは、つま先が当たらないギリギリのラインで選んでいます。なんでっていうと、この靴は甲がとてもゆとりのある靴で、高さのある設計だから。普通にサイズを合わせると甲が遊んでしまって、足が前後に動いてしまうから。そして、履き込むと革が馴染むじゃないですかぁ。そうなると、左右の羽根がくっついてしまって、閉じ切ってしまうから、靴紐で締めつけようと思っても無理なんです。だから、なるべく小さめのサイズで選ぶんですが、そこで捨て寸を蔑ろにして、つま先の遊びゼロにすると最悪歩けなくなるので、ほんとギリギリでもつま先は当たらないサイズで選ぶようにしています。
そんなわけで購入して間もない頃は、小指側がめっちゃ痛くなることがありました。だいだいこのあたり?
そうなるなんて思わなかったから、初下ろしに善光寺まで行ったんですけど、これがクッソ痛いのなんのって。とても歩けたもんじゃなかったんです。それでも、歩かなければ帰宅できないので、なんとかしようと歩き方を工夫した思い出があります。その方法とは、『モデル歩き〜ぃ!』。
いうほどモデルになれてないな、ウン。😆
もともとガニ股だから、これでもそうとう自己矯正していると思ってやってください。要するにだ、靴をまっすぐ前後に出すように歩けばいいんです。つま先をできるだけまっすぐに前に出す。蹴り出す時も靴のつま先センター付近で蹴り出すように意識して歩く。そうすると、さっきまで痛かったのがウソのように解消するんだな、これが。理由? しらんけど。(笑)
これで半月もすると自然と馴染んで来て、あとは普通にガニ股に戻ってもなんともありません。不思議。
カカトの収まりも参考になるかな。
パッと見でピッタリ収まっているようにみえます?
靴紐を緩めて、足を靴中で前方に移動できるだけ移動させると・・・
ほら、まだこれだけ余裕があります。ちょうど人差し指が入るくらいの空間。人にもよるのでこれが正解ってんじゃぁないけれど、僕の場合はこれがベスト。ゆる過ぎずきつ過ぎず、1日履いていてもストレスフリーなサイズ感。
パラブーツといえば、クルブシアタックも有名です。
履き口のトップラインの位置が高めに設定されているので、日本人の多くが踝の下っ側にエッジが食い込んで痛いんですよねぇ。結論から先に言うと、これはパラブーツを履く際の通過点。だれしも経験しなければならない儀式。なもんで、痛いのが当たり前。痛くないのは超ラッキーくらいに思って履いてくだい。でも心配はご無用です。必ず馴染みます。馴染みますが、最初痛いこともあるので、その辺は店舗まで靴もってきてご相談ください。解決策も用意してますので!
なにわともあれ、長年愛用することとなったCHAMBORD。2足も所有するおバカちゃんです。
シャンボードはこれで大体わかったかなぁ。どうでしょうね。
お次は、続編MICHAEL。サイズは41.5。
これも溺愛するフレンチチロリアンシューズ。基本設計が70年以上前というから驚き。最初に考えた人は偉いなぁ。
さて、先ほどもご紹介した過去記事の「【サイズ感】パラブーツ MICHAEL」はもう読んでみました?
これは、購入時の所感でしたが、現在履き込んでみての感想も書きましょうか。まずは、先ほどのCHAMBORDと同じ場所のチェックから。
これですね。やっぱりというか、これはもうパラブーツの木型の癖なんじゃないかと割り切っていますが、やっぱり初期は小指側が痛かったっす。もぅ、またかよ〜って感じだったっす。もちろん今は解消済みですが、最初は来ますねぇ。フランス人て、日本人に比べて指先が狭いのかなぁ。同じ農耕民族だと思っていたけど、やっぱり堀の深い西洋顔の人たちと我々「平たい顔族」とでは何かが違んだろうね(笑)
違うものは違うんだから、諦めるっきゃしょうがいない。でも安心してください。馴染みますから。そして、僕のMICHAELも言うこと聞いてくれています! これがまた、可愛いもんでね。最初なつかなかったのに、今では仲良しって感じです。CHAMBORDよりもちょっと時間がかかったけど、いい感じです。
カカトはこんな感じ。いい収まりじゃん〜って思うでしょ? ところが、、、紐を緩めてから足を前に動かすと〜
ほらね、こんなに空間があります。
この遊びは、CHAMBORDよりももう少しゆとりがあって、緩めです。さらに言うとMICHAELは、アイレットが2つしかないチロリアンじゃないですか? 甲部分を締め付けて足を固定する技がなかなか上手く行かなかったんです。革が完全に馴染んでくればOKだったのですが、最初はちょっとだけ苦労させられたかなと思います。甲部分の押さえが効かないと、靴の中で足が遊んでしまうから、歩行の時になんか不安定な感じに陥りがち。MICHAELはそういう星の元に生まれた靴なんです。でもですね、ほら。
屈曲させてもカカトがちゃんとついてきてくれているでしょ。これはですねぇ、靴底の返りが素直に足の屈曲についてきてくれるようになったからなんですね。
そもそも論なんだけど、MICHAELのヒールカップってわりと大きめなんですよ。だから、英国靴のようにカップにガッツリ隙間なく合わせるなんて土台無理な話。ゆとりのある靴は、心にもゆとりをもった人が履いてこそ真の実力を発揮します! (なわけないか?)
無理に踵にピッタリ合わせなくても、許容内でフィッティングができていれば、次第に足の曲がりに踵もついてくるようになるので、あまり神経質になる必要なし! 解決策? ただ、履き続けるべし!
そんでね、ほら踝もあいからず食いつく設計なんですよ。70年前の人たちがいかに丈夫な足をしていたことか。こんなことでいちいち弱音は吐かなかったんだろうねぇ。現代人だから「痛ぇぞおいー!」ってなりがちだけど、それは靴が僕らに教えてくれているようでもある。「君ら、どんどん柔になっとるね」って。「昔人はこれ履いて山登りしたんよ」って靴に教えられているように感じて恥ずかしいわ!
よし、なんとしても馴染むまで頑張って履いてやるぞー! と毎日のように履いていたらアレッ??、結構従順なくらい馴染んでくれました(笑) なんだいい靴じゃんかよ。愛用しちゃうよ〜(笑)
さあ、お待ちかね! いよいよ真打登場だ。
オーディエンス「ARLES〜! ARLES〜! ARLES〜!」
ちなみにサイズは8。
もう待てないから履いちゃうよ〜。
これねぇ、シャンボードと似ているが、土踏まず部分のフィーリングは異なります。ARLESの方がもう少し立体感のある土踏まずで、軽くだけどリフトアップする感触が楽しめた。へぇ、いいじゃんこれ。
さらにパラブーツの懸念材料となっているつま先細い病ですが、試着段階では感じられず。まぁ、これはCHAMBRODしかりMICHAELしかり同じだったかな。うーむ、でもそれよりも幾分ラクな感触か。気分はとてもいい。好感触っちゅうやつです。
よし、そうしたら恒例の「靴紐を緩めて足を前に移動したらどうなるかぁ〜」のテストもしてみるか!
カカトの遊びも人差し指ちょうど一本。CHAMBORDとさほど変わらず。でもフィット感を感じる。
なんだろう、こう無理のない足入れフィーリングは。すぐに馴染んでくれそうな予感がする。
踝も当たるところまでは行かないが、ギリギリのところ。この辺は人それぞれだろうから、当たって痛いならちょっとした加工で直せるし、痛いまでいかないなら履いていれば馴染むレベルだね。こりゃぁ想像以上にいいぞ! やるなARLESよ。
ソールはGRIFF II。フィーリングとしては、Marche IIに近いフィーリングを味わえます。グリップ力は申し分ないし、柔らかいコンパウンドによるクッション性は流石に尽きます。
そんなわけで、今回は、パラブーツ3足をそれぞれの足入れ感覚と織り交ぜて比較してみました。どれもパラブーツの味がありつつ、それぞれの持つ特性の違い、似ているけど似ていないまさに兄弟とも言える間柄の3足だったと感じました。3足とも微妙にテイストを変えつつも、血統は同じという実感を実際に履くことで得ることができたと思います。
こういう素晴らしい靴の体験は、ぜひみなさんにも経験して欲しいですねぇ。今回のARLESを筆頭に他のパラブーツが気になったならぜひ試着に来てみてください。自分の足だったら、どう感じるのか、ブログの通りなのか違うのか。そんなところも楽しんで頂けたらと思います。
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