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オールデン990で気持ちよく仕事しました。毎度のことながらいい靴ですねぇ。この靴の木型はご存知バリーラストといって、オーセンティックなアメリカン木型です。とりたてて特徴のない普遍的な木型なんですが、そこがいい。絶妙なシルエットで構成され、意識させない心地よさ。 履いてて気持ち良いのは当たり前なんですが、ふと履いていることを忘れてしまうくらい気持ち良くストレスを感じさせないんです。

購入してからもう13年です。日々気持ちよさがアップデートされていっている気がします。コルクも私の足裏形状に沈んでいて、もはや他人様の足では合わなくなった「わたし専用990」。いい響きだなぁ。同じサイズの990があったとしても、私の990の履き心地には敵いません。逆に言うと、他人の990では私の足には合いません。グッドイヤーウエルトの靴ならではです。

しかもダブルレザーソール。これがまたいいんです。最初、ほんと最初だけ硬く感じるダブルレザーソールですが、何度か履いていく内に返りがよくなってきて、気がつくとスッスッと足が前に出るようになります。地面の凹凸も砂や砂利も適度に吸収してくれて、それでいて通気性が良い。長距離歩くのをわかっている時は、ダブルレザーソールがいいという声をよく聞きますが、全くその通りだと思います。

そして、アッパーのシェルコードバンにも触れないわけにはいきません。いい感じに光っているでしょう。たいして手を掛けたわけじゃないんですが、何年も磨いていると自然な美しい艶に覆われるようになります。ワックスした感がないのに輝いているというのが私の理想型ですが、そこにはまだ到達していないものの、かなりいい線まできています。

あと傷ですよね。履いたからこそ生じた傷。そりゃもう13年ですから、至るところに傷が入ります。この傷が入ることで、さらにこの靴の価値が増しています。「神棚行き飾り靴」じゃなくて、実際に使っている靴なんだとひと目でわかる存在感を目指しています。もちろん傷がついたらそのままにしているわけではなく、かといって完全に消すわけでもなく、程よく道具感を残しながら美しい仕上げを目指しています。それがエイジングってもんじゃないかと私なりの考えで楽しんでいます。

雨。雨でも履きますよ! 土砂降り以外なら結構履きます。よくこの状態を保っているねぇと言われますが、メーカーであるオールデンがいいものを作ってくれました。レザーディフェンダー。これのお陰で、もう昔のように雨を怖がることがなくなりました。撥水するわけではなく、ダメージ軽減剤なので、濡れるとブツブツが出ることもあります。そうなった時、今度は英国のアビィースティックの出番です。これがまたブツブツザラザラ消しに効果的。この二つはオールデンユーザーはぜひ所有したい鉄板アイテムですね。

もしお住まいがお近くの人は、無理に買わなくてもいいです。当店へ持ってきてくれれば、メンテナンスしています。私のお好み仕上げでいいのならぜひご依頼ください。心を込めて磨きます!。

そんなわけで、本日ご紹介した私物靴は、オールデンの990でしたー!

「動く990と歩行音も収録」


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