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パラブーツの名作CHAMBORD。Lisレザーという牛革を使用した丈夫な革を使い、Paratexソールと呼ばれる自社開発製造のラバーソールを組み合わせた全天候型のUチップです。写真の靴は私物のCHAMBORD CAFEです。長年履き込んでいて、雨や雪による革の変化が如実に現れて来ました。メンテナンスしたらさらに表情が良くなってきたのて、このタイミングで愛用靴をご紹介しようと思います。

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前述の通り、とにかくタフな環境で愛用している人の多い靴です。仕事履きにしている人も多数いて、その信頼性の高さは魅力といって良いでしょう。天候に左右されずにガッツリと楽しめるのがこの靴の最大のメリットです。私の履き方は恐らく雑だということもあり傷だらけなんですが、これがメンテンスすることで味になってきています。例えば上の写真は、右足トゥ部分を接写したものですが、革が縮れてきているのがわかると思います。これは、革がなんども水分にやられたり、縁石にヒットして銀面が破壊されたりしたためです。しかし、保革や補色をすることで、そのダメージは道具感という別の味わい演出のピースとなってくれるのです。

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続いての写真は、左足の外側カウンター部分です。いつどこでか忘れたというか、いちいち覚えていないのですが、ボコボコにヒットし凹んでいたり革表面が少し避けてしまっている部分もあります。また縮れも少なからず見られます。でも、いい表情だと思いませんか? これは存分に履いたからこそできたもので、狙ってもこの雰囲気を出すことは困難です。もっとボコボコになってくれてもいいくらいだと個人的には思っています。だから、雨天日や雪の日は待ってましたとばかりに出動機会が増える靴です。

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こちらの写真はアッパーU部分です。合わせモカといって、真ん中にくる革の縁と周囲にくる革の縁を手を合わせたような形に縫い付けることを拝みモカなんていうそうです。その一部が口を開けた様にパカっと開いています。これは、CHAMBORDあるある現象の一つで、ほぼ全てのCHAMBORDユーザーに見られる現象です。ビビる心配はありません。そういうものですから気にせずガンガン履いてもらって大丈夫です。返って、どの程度の口が開いているか競ってもいいくらいだと思います! 花が咲いたように2箇所3箇所開いているくらいが逆に雰囲気があって格好良いと思います。私のはそういう意味ではまだまだですね。もっと履かなくてはならないと靴が教えてくれているようです。

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そしてタグ。昔のビッグタグと違って、現代版はご覧の様にコンパクトなミニタグですが、それでも端っこが捲れてきます。これも捲れ方は十人十色ですが、よくメンテしている人のタグほど味わい深い捲れ感を楽しめます。以前このタグが逆さまについているスーパーレアCHAMBORDが入荷したことがありましたが、滅多に巡り合えないミスワークでしたが、そういうのを探す楽しみもある部分です。

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CHAMBORDも実は難点はありまして、足にフィットし辛い靴というのもあるんです。もともと登山靴ベースのノルウィージャン製法という作りで、甲部分の高い(深い)木型を使っている為か、若干甲部分が遊んでしまうんです。だからなるべく遊ばないように小さめ小さめサイズで選ぶんですが、そうすると今度は幅やつま先の遊びがなくなってきて、最初の内は靴擦れしたりと泣かされることも。でもやわやわと履き馴らしていくうちに、CHAMBORDの履き方、付き合い方というのが身につき、その人なりに構築されて、いつの間にか手放せない一足になるんです。

どんな靴にもい良い面、悪い面はあるものですが、結構ハッキリしているのもCHAMBORDひいてはParabootの面白さかと思います。一重に靴の持っている性格の現れ、まるで人間と変わらないじゃない。と、そういう喜怒哀楽みたいな部分を兼ね備えている靴だからこそ世界中のファンから100年を超えても愛されているんではないでしょうか。

とまぁ、つらつらとCHMBORD愛について書かせて頂きました。今日はあいにく? の晴天でしたが、日光浴させてあげたら喜んでくれたみたいです。

ではまた!