ALDEN 8818コードバンスリッポンの修理とメンテナンスでお預かり。
ご希望は、ヒール交換とお任せメンテナンスの2メニュー。毎回思うのですが、どうしても作業前の写真を撮り忘れてしまいます。ご本人さんには変化が分かるので、まっいいか!
このスリッポンは、当店となぜか縁がなくて当時入荷しなかったもの。個人的にとても思い入れをもってメンテさせて頂きました。恐らく、オールデンの履き心地が気に入っておいでで、あまり傷なども気にすることなくタフに履いて、オールデンを楽しんでいるのかなと勝手に想像しながら作業しました。
アッパーの小さなブツブツやザラ付きはできる限り滑らかに。特にヒールカウンターのインサイド辺りは、蹴飛ばしによる横筋が多数あり中には深い傷も散見されましたが、ムフフ、こういう履き方してあると俄然やる気が出てきます。できるだけ美しい状態に戻したい。でも、傷は完全には消さず、程よく自然に残す方向で。これが、わたしのALDENコードバン靴に対するリスペクトメンテ! 所有者が履いたことで生じた傷=人生の記録であり、それを消し去ってしまうのは実にもったいない。そう思いませんか?
究極言うと埃すらも愛おしく、コードバンなら絶対生じるザラザラやブツブツも消すのはナンセンス!〜と言いたいところですが、この境地に至るにはよっぽどの数のオールデンを履いて味わってこないと到達できないし、する必要もないです(笑) (だいたい、理解されない)
そんなわけで、今回も普通に綺麗に見れるレベルまで仕上げています。もちろん使用感は残しつつ。そしてノーワックスで。これが、私の最近のトレンド。今後の普段ケアは、気が向いた時にブラッシングで埃を払う感じに3〜5分くらいを目安に。しばらくこれでOKでしょう。色抜けしてきたら補色すればOK。
なにより楽しんで履くのが一番のメンテ!
ご依頼、ありがとうございました。